みなさんの身近なところでたくさんの鉄がリサイクルされているのをごぞんじでしょうか。
空缶、スチール家具、乗らなくなった自動車や建物など建築物を解体した時に出る鉄骨や鉄筋など、
使わなくなった鉄製品は、その大部分がスクラップとして集められ、溶かされて再び新品の鉄に
生まれ変わっています。
鉄スクラップのリサイクルは、天然資源のほとんどないわが国のもつ貴重な鉄鋼原料の供給という
重要な役割を担い、明治以降のわが国の発展とともに歩み続けてきました。現在では、日本で一年に
生産されるおよそ1億トンの鉄のうち3千万トン近くが鉄スクラップのリサイクルにより作られています。
(※1)
またここ数年、鉄スクラップの発生量は国内需要を上回るようになり、海外への輸出が
行われるようになっています。現在、全国から年間6百万トンを越える鉄スクラップが、アジア地域を
中心に輸出されています。(※2)
このように、鉄のリサイクルは長い間、また国際的な広がりをもって行われています。そして限りある
地球資源の有効利用と地球環境の保全の観点から「リサイクル」がますます重要性を増している中、
その果たす役割は一層大きなものになっています。
私ども日本鉄リサイクル工業会が携わる鉄スクラップの加工・流通のご紹介を通して、鉄スクラップの
リサイクルについて少しでも理解を深めていただければ幸いです。
※1
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2001年度の場合、粗鋼生産量約1億286万トンのうち、主にスクラップを原料に生産を行う電炉メーカーによる生産量は約2,839万トン |
※2
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2001年度の場合、輸出量は
615万トン |